平成30年度 久留米大学病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1334 776 632 989 1390 1996 4009 4286 2139 160
平成30年度の退院患者さん(17,711名の)のうち、60歳以上の患者さんが全体の60%近くを占めています。次に多い年代が50歳~59歳で11%以上を占めています。10歳未満の患者さんについても多く全体の8%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 609 4.72 2.84 0 73.65
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 251 9.53 8 0 69.6
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 127 13.69 9.75 0 55.87
020220xx99xxxx 緑内障 手術なし 103 2.3 3.14 0 66.66
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり 72 3.26 3.22 0 24.79
黄斑前膜、黄斑円孔、黄斑下血腫などの黄斑疾患の手術、糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、水晶体脱臼、増殖硝子体網膜症、眼内炎、眼外傷など網膜疾患の手術を行っています。緑内障手術は、点眼治療ではコントロールの難しい患者様に、流出路再建術、濾過手術、緑内障インプラント手術などがあります。斜視手術は、小児から高齢者まで手術の適応があれば手術を行っています。角膜混濁で適応があれば角膜移植術を行っています。
呼吸器・神経・膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 417 2.83 3.43 0.24 69.57
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 218 7.39 10 0 68.63
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 5あり 65 7.78 19.34 1.54 66.95
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 64 10.64 19.06 9.38 70.41
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 55 21.73 15.58 9.09 53.75
①当科は呼吸器神経膠原病内科部門で3つの科の患者が入院となります。呼吸器疾患の入院が7~8割を占めています。呼吸器疾患に関しては、肺がんなどの悪性疾患、間質性肺炎が多くを占めています。そのため、診断のための気管支鏡検査やCT下針生検などの検査は基本的に毎日施行されており、検査件数は年間400例を超えています。呼吸器検査入院期間に関しては、抗凝固剤などの有無で異なりますが基本的には1泊2日の検査です。肺がんの治療に関しては、化学放射線治療または化学療法を行っています。パスを使用し1週間程度の入院スケジュールを組んでいます。(パスに関しては放射線併用の場合は除く)。最近は、重篤な間質性肺炎治療入院も多くなっています。当科は膠原病内科と同じ部門であり、膠原病関連間質性肺炎の件数も非常に多くなっています。当科では、専門性が必要な新規抗線維化薬、ステロイドや免疫抑制剤治療を行います。ステロイド減量や酸素療法やリハビリ継続を要するケースもあるため当科の関連施設に転院する症例も少なくありません。

②全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患に関しては、ANCA関連血管炎や全身性エリテマトーデスおよび炎症性筋疾患の入院症例が主です。治療抵抗症例に対してはステロイド剤に加え免疫抑制剤投与を行っています。
心臓・血管内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 303 6.11 5.15 0 61.42
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 124 5.85 4.47 0.81 68.02
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 121 4.67 3.01 1.65 67.15
050080xx99100x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 84 11.73 5.81 5.95 75.27
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 82 4.6 3.15 1.22 69.15
心臓・血管内科において最も症例数が多い疾患は、「虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)」と「頻脈性不整脈(心房細動など)」です。「虚血性心疾患」は、心臓の動脈硬化の進行によるもので、多くの場合、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が原因となります。また、頻脈性不整脈の代表である「心房細動」に対して、カテーテルアブレーション治療(経皮的カテーテル心筋焼却術)による根治術を行っています。また近年では、高齢者の大動脈弁狭窄症の検査治療数が増加しています。これは、高齢化に伴い、血管だけでなく、心臓の弁も硬化が進行することに由来する疾患で、病状が進行すると狭心症に似た胸部症状や失神などが出現します。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 185 5.56 2.67 0 65.73
060050xx97x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 150 13.14 10.42 1.33 75.62
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 87 9.6 8.52 0 71.83
060050xx0300xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 83 9.16 8.22 0 73.19
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 80 11.34 10.08 2.5 70.08
「小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし」は小腸や大腸の非悪性腫瘍を内視鏡を用いて焼切る治療をうけるために入院された患者さんです。
「肝・肝内胆管の悪性腫瘍 その他の手術 処置2なし」は肝内の悪性腫瘍に対し、腫瘍を栄養する血管を塞栓して腫瘍を治療するために入院された患者さんです。
「胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 処置2なし」は胃がんや胃、十二指腸のポリープを内視鏡を用いて焼切る治療をうけるために入院された患者さんです。
「肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝悪性腫瘍 ラジオ波焼灼療法 処置1なし 処置2なし」は肝内の悪性腫瘍に対し腫瘍を焼灼する治療をするために入院された患者さんです。
「胆管結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 処置2なし 副傷病なし」は主に、胆管結石を内視鏡を用いで取り出したり、胆管の炎症や腹腔膿瘍をチューブを入れて治療するために入院された方です。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
14029xxx97x0xx 動脈管開存症、心房中隔欠損症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 56 6.09 6.45 0 9.89
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 56 4.57 7.28 0 8.84
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 10.05 6.17 0 0
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 41 18.59 11.32 0 0
150070x0xx01xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 38 10.76 10.37 0 4.55
当科においては13の専門分野のスペシャリストが小児の内科的疾患を幅広く診療していることが特徴です。中でも循環器グループにおいては、動脈管開存症、心房中隔欠損症等のカテーテル治療の症例数が非常に多く、低侵襲の治療を可能にしております。川崎病は、難治例の治療経験も豊かです。新生児グループは、総合周産期母子医療センターを有しており、早産に伴う2500g未満の低出生体重児を数多く入院治療を行っています。神経グループでは初発のてんかんからWest症候群など難治性てんかんの患者さんを多く診ています。てんかんは発作の正確な診断が重要で適切な治療につながります。治療は抗てんかん薬の調整、ACTH療法、ケトン食療法、てんかん外科への適切な紹介を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 128 2.18 2.53 0 70.21
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 80 7.88 5.62 2.5 58.88
110060xx99x20x 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 65 21.09 10.99 1.54 69.09
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 64 14.81 12.63 0 69.8
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 53 9.21 7.2 3.77 72.28
尿路結石や泌尿器悪性腫瘍(腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん)に対する治療症例が多いのが特徴です。当院では尿路結石に対するレーザー破砕術を初期より導入しており、多くの症例に対する治療を経験しています。高齢化に伴い、泌尿器悪性腫瘍の罹患数は年々増加しております。当院では前立腺がんや腎がんに対するロボット支援下手術ならびに鏡視下手術を実施しており、臓器機能温存や早期の社会復帰を重視した低侵襲な治療を提供することに努めています。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 135 7.83 8.29 0 42.04
03001xxx99x4xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 65 21.71 12.9 0 61.09
03001xxx01000x 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 56 13.29 13.57 1.79 65.61
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 55 6.91 7.89 1.82 19.35
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 52 10.42 7.37 0 56.69
※院内では、「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」の名称としています。

最も多い疾患は慢性中耳炎と中耳真珠腫に対する鼓室形成術です。従来の耳後部切開アプローチを要する顕微鏡下の手術と比べ、耳後部切開を必要としない耳内アプローチによる内視鏡下の低侵襲手術(Transcanal Endoscopic Ear Surgery)が増え、在院日数が短くなっています。頭頸部悪性腫瘍に対しては化学療法が多く施行されています。これは進行した頭頸部悪性腫瘍に対して導入化学療法を行い、その効果をみて手術、あるいは化学放射線治療を行う症例が増加したことと、頭頸部悪性腫瘍の再発症例に化学療法を行う症例が増えた2つの理由があります。また、耳、鼻、口腔咽頭、大唾液腺の腫瘍に対しても積極的に手術を行っています。頭頸部悪性腫瘍、頸部悪性腫瘍への手術も同様で、早期頭頸部悪性腫瘍には内視鏡下の低侵襲手術を行い、在院日数が短くなりました。進行した頭頸部悪性腫瘍でも、導入化学療法が奏功した症例では手術を回避し、臓器、機能温存を目的とした化学放射線療法を数多く行っています。進行した頭頸部悪性腫瘍に対する拡大切除と再建を要する手術は減少傾向にあります。化学放射線治療後の症例では治療後の副作用により、治療後に転院が必要な症例がわずかながら見受けられます。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 175 3.16 3.2 0 37.93
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 118 3.51 4.85 0 60.47
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 72 3.74 4.61 0 57.51
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 63 5.73 6.28 0 42.62
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 60 14.23 12.58 0 58.13
当科には筑後地区全体から多くの患者さんが紹介されてきますが、頻度の高い疾患は子宮頸部異形成、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣腫瘍、卵巣がんなどです。子宮悪性腫瘍手術とは、子宮体がんや子宮頸がんに対する手術を行った数です。手術には、開腹手術と小さな傷で手術が可能な腹腔鏡手術があります。適応のある症例には腹腔鏡手術を積極的に行っています。良性の卵巣腫瘍には主に腹腔鏡手術を行っています。手術なしとは放射線治療や化学療法を行った症例のことです。患者さんと病気の状態により個々の患者さんに最適な治療法を説明し、十分に同意を頂いた上で治療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 155 19.19 16.8 79.35 70.26
070010xx010x0x 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 63 7.19 5.59 3.17 49.21
070350xx97xxxx 椎間板変性、ヘルニア その他の手術あり 59 16.29 15.83 55.93 51.32
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1 なし 52 22.35 20.71 88.46 69.71
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 47 23.45 21.39 87.23 69.3
脊椎疾患(腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、頚髄症など)の件数が非常に多くなっています。診断や治療方針を決定するために短期間入院の上、必要に応じてブロック療法や脊髄造影検査などを行うことがあります。手術を受けるために入院した場合、病状や経過にもよりますが、入院期間はおおよそ2~3週間です。その後は連携病院に転院して、リハビリテーションを受けていただくことになります。
良性軟部腫瘍は四肢体幹の皮下、筋肉、神経内に発生する腫瘍です。専門性の高い疾患ですので大学病院などの専門医のいる施設への受診が必要です。切除することで治癒が期待できますが、まれに再発をきたす例もみられます。最も多い組織型は脂肪腫で、皮下もしくは筋層内に発生します。切除後の創部状態が良好であれば、早期に自宅退院が可能です。また、同部位の悪性腫瘍、がんの転移の患者さんも増加傾向にあり、がん拠点病院として、他診療科との協力の下、知恵用を実施しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 91 3.16 3.02 1.1 62.3
010030xx03x00x 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 55 12.53 9.58 0 61.6
010010xx01x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 24.49 21.16 17.07 55.63
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 18.22 18.72 55.56 55.17
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1 なし 14 17.79 20.71 21.43 68.43
多岐にわたる脳神経外科疾患の中でも脳血管障害、脳腫瘍、脊髄・脊椎疾患に対する治療を多く行っております。
クモ膜下出血の原因である脳動脈瘤に対する治療は日々進歩しており、多くの症例で開頭せずにカテーテルで治療することが可能となっております。これは患者さんにとって非侵襲的な治療ですが、動脈瘤の大きさや形、部位によっては開頭クリッピング術のほうが安全に治療できる場合もあります。未破裂脳動脈瘤の患者さんでは脳血管撮影検査を行った上で、それぞれの治療の利点・欠点を評価した上で治療方法を選択していただいております。
脳腫瘍では組織分類別に最善な治療法が異なります。手術が必要な患者さんには最新のmodalityを用いた安全かつ効果的な摘出術を提供する一方で、手術ではなく放射線・化学療法などの治療を中心に行うほうが安全かつ効果的な疾患も多く存在します。
脊椎は頸椎、腰椎を問わず体を支え、脊髄および神経を保護しながら全身の運動・感覚情報を出入力する重要な部位です。高齢者では脳に限らず脊髄が進行する歩行障害やしびれの原因となっていることがあり、正確な診断と適切な治療が求められますが、この領域もカバーしております。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 120 7.64 12.05 0 56.96
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 62 4.42 8.77 1.61 66.03
110280xx991x0x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 定義副傷病 なし 56 9.8 7.18 0 48.82
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 1あり 29 37.45 35.72 0 68
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 29 14.59 8.75 0 72.28
腎臓は血液や老廃物の循環を整える大切な臓器です。腎臓病は腎臓に生じた炎症によって引き起こされる腎炎(糸球体腎炎と尿細管・間質性腎炎)と、糖尿病や高血圧などの全身の病気により障害を起こすものがあります。慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease 通称:CKD)とは、そんな腎臓の機能が恒常的に低下してしまう病気です。日本国内の潜在患者は1300万人以上もいると言われています。
1番目は腎機能が低下した患者さんに対して、それ以上進行しないように食事療法などを行う教育入院です。また中等度~末期に病期が進行した患者さんには腎代替療法の選択(血液透析、腹膜透析、腎移植)などを含めた入院を行います。7~10日前後の入院期間中に原疾患の評価、合併症評価、体液管理、食事指導などを含み教育を行います。その他、合併症(体液過剰や感染症、電解質異常など)などでの予期せぬ入院管理も行います。また腎炎の代表格であるIgA腎症を有する患者さんに対するステロイド点滴治療(2泊3日)も含まれます。
2番目は腹膜透析検査入院です。当院では2泊3日入院のうえ腹膜平衡試験(腹膜機能を評価)、アデクエストテスト(透析効率、残腎機能をみる検査)を行います。また入院中に患者さんの手技確認なども行っています。腹膜の状態は一人ひとり異なり、腹膜透析を続けている期間によって変化するため、腹膜や残った腎臓の機能を定期的に評価することが必要です。腹膜透析を行うための機能は十分か、期間ごとにどのように変化しているのかを評価し、十分な透析ができているか、腹膜休息が必要でないか、また血液透析の併用を含めた透析治療への移行を検討するのに役立てます。
3番目は血尿や蛋白尿が出現する慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などを合併した慢性腎臓病患者さんに対する経皮的腎生検目的の入院です。確定診断をつけて、治療方針を決めていきます。検査だけであれば5日~7日の入院で、結果や治療方針の説明については後日外来で行うこともできます。
4番目5番目は透析を受けていない慢性腎不全や血液透析を施行中の患者さんのシャント造設入院です。透析導入に必要なシャントの造設術を施行したり、透析中のシャントトラブルの対応も行っております。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 72 17.43 15.3 2.78 72.03
060020xx02x00x 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 20.7 16.49 9.43 72.49
060050xx02x01x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 肝切除術 部分切除等 処置2なし 副傷病:誤嚥性肺炎等 45 22.31 22.78 13.33 69.67
06007xxx010x0x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術 血行再建を伴う腫瘍切除術の場合等 処置1なし 副傷病なし 34 31.91 26.14 0 66.76
060040xx03xx0x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 直腸腫瘍摘出術(ポリープ摘出を含む。)等 定義副傷病 なし 33 11.88 12.95 3.03 68.15
※院内では、「食道外科」、「胃大腸外科」、「肝胆膵外科」の名称としています。

【胃大腸外科】
当院での胃疾患に対する手術では、良性疾患より悪性疾患に対する胃切除術が多く行われています。その大部分は腹腔鏡を用いて行われており、早期がんにも進行がんに対しても行っています。2018年より一部の症例においては手術支援ロボットを用いたロボット支援下胃切除術を施行しています。併存疾患のない方の多くは手術の2日前に入院し、手術後は2〜3週間で退院されています。退院前にご家族とともに家での食事の取り方の指導を受けられており、多くの方が直接ご自宅に退院されています。

開腹手術による大腸癌の手術症例は、年間合計105例となっています。最近では直腸癌の比率が多くなっているように思います。当科では肛門に近い直腸癌でも従来より「究極の肛門温存手術」として取り組んで来ました。そのため、直腸癌に関する紹介も多いのが特徴です。また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)に対する手術も行っており、下部消化管疾患に対し幅広くかつ適切で専門性の高い治療を提供しています。
血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x40x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 122 14.59 16.17 6.56 63.94
130030xx97x40x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 60 20.42 32.36 6.67 66.6
130030xx99x30x 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 54 13.57 17.1 5.56 65.39
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 3あり 30 23.13 32.83 10 65.87
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 23 27.3 40.13 0 61.35
悪性リンパ腫は、リンパ節のがんで、比較的ご高齢の方に、多い病気です。日本の高齢化に伴い、患者さんは増加しています。悪性リンパ腫のなかに、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫があり、非ホジキンリンパ腫のほうが、患者さんが多いとされます。悪性リンパ腫は、抗がん剤、放射線治療が良く効く代表的ながんです。当院では、治療導入は入院で行い、副作用の程度を評価した後は、外来化学療法を行うことで、患者さんのQOLに配慮した治療を行っています。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120260xx01xxxx 分娩の異常 子宮破裂手術等 72 10.03 9.63 0 34.22
120260xx99xxxx 分娩の異常 手術なし 51 8.96 4.88 0 33.61
120170xx01x0xx 早産、切迫早産 子宮破裂手術等 手術・処置等2 なし 47 18.87 30.12 0 33.23
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 39 9.59 5.75 0 34
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等2 なし 34 16.59 19.69 8.82 31.35
妊婦さんには、分娩予定日よりかなり早期に出産される方(早産)、あるいはその恐れのある方(切迫早産)、年齢の比較的高い方、双子の赤ちゃんを妊娠している方、糖尿病、高血圧症など様々な内科的疾患をもっておられる方など、いわゆるハイリスク妊婦さんが数多く来院されています。当院では高次周産期医療施設として、このような様々なリスクをお持ちの妊婦さんを中心として、妊娠、分娩管理を行っています。
 赤ちゃんは狭い母体の産道を通過して、生まれてきます。赤ちゃんと産道の関係は、ねじとねじ穴との関係に例えることができます。分娩に長時間を要する、いわゆる難産の主な原因として、1)ねじがねじ穴にきちんとはまっていない(児頭の回旋異常)、2)ねじが固い(軟産道強靭)、3)ねじを回す力が弱い(微弱陣痛)の3つがあります。1)あるいは2)の場合は、最初から帝王切開を選択する(選択的帝王切開)(K8982)、あるいは分娩経過をみて、帝王切開に切り替える(緊急帝王切開)する(K8981)ことがあります。お産の経過中に、赤ちゃんの心拍が低下(低酸素状態)した場合、帝王切開となることもあります(K8981)が、赤ちゃんの頭が産道の出口付近のある場合は、吸引娩出術(K893)といって、赤ちゃんの頭に吸引カップと呼ばれる器械を装着して、出産していただくこともあります。
当院の特徴のひとつとして、前述のハイリスク妊婦さんに対して、選択的あるいは緊急帝王切開を行う方の割合が増加しています。そのような妊婦さんが次に妊娠した場合、前回行った子宮切開部分が脆弱化し、分娩の途中に頻度は少ないものの子宮破裂を来すことがあります。このため、帝王切開を経験した多くの妊婦さんは、次回以降も帝王切開を行うことが多くなっています。
流産手術(K9091)は、様々な理由により流産に至った妊婦さんに行う手術です。当院での手術数は比較的少ないようです。当科の性格上「妊娠の安定期」(妊娠初期)を超えて他医療機関からご紹介いただく患者さんが多いことがその一因と考えられます。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 7.57 12.52 91.43 64.23
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり 17 53.65 38.54 52.94 73.35
130100xxxxx4xx 播種性血管内凝固症候群 手術・処置等2 4あり 16 21.56 28.51 81.25 72
050161xx99000x 解離性大動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 9.17 17.4 91.67 69
160870xx01x1xx 頸椎頸髄損傷 脊椎、骨盤脱臼観血的手術等 手術・処置等2 あり 11 46.73 46.77 90.91 74.73
※院内では、「高度救命救急センター」の名称としています。

高度救命救急センターでは、内因性、外因性を問わず、緊急治療を必要とする、あるいは重症で入院加療を必要とする救急患者を受け入れています。内因性疾患としては、心筋梗塞を代表とする冠動脈疾患や急性大動脈解離などの心・大血管疾患、ショックや臓器障害を伴った重症感染症(敗血症)や、播種性血管内凝固症候群を伴った各種重症例が多く、外因性疾患としては、脊椎や骨盤損傷を伴う重症外傷、特殊な止血処置、大量輸血を必要とする重症例が多く搬入されています。いずれの症例に対しても、原疾患に対する積極的な治療とともに、合併するショックや臓器障害に対する集中治療、脳指向型の神経集中治療を行っています。
心臓・血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 69 26.71 24 62.32 70.28
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 36 2.06 2.85 0 67.25
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 33 21.73 22.91 69.7 68.85
050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 29 30.9 28.37 82.76 71.41
050080xx97010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 29 30.34 20.53 24.14 86.52
当院では弁膜症、虚血性疾患、大動脈疾患など、心臓血管外科手術の全ての手術に対応可能です。24時間対応可能なオンコール体制を確立しており、緊急症例にも対応しております。また大動脈瘤に対するステント治療、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁植え込み術、下肢静脈瘤に対するレーザー治療などの低侵襲治療も積極的に行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 80 12.04 8.16 5 77.6
080190xxxxxxxx 脱毛症 22 3 3.52 0 39.36
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 17 6.59 4.05 0 40.35
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 15 6.4 6.33 0 48.07
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 13 13.69 13.72 0 64.92
皮膚科は皮膚科全般に関する診療を行っています。入院症例に関しては、有棘細胞癌、基底細胞癌や悪性黒色腫を含めた皮膚悪性腫瘍の患者さんが最も多く、脱毛症、皮膚良性腫瘍の件数が上位を占めています。皮膚悪性腫瘍、皮膚良性腫瘍の手術加療目的に入院される患者さんが多いです。また皮膚悪性腫瘍に対して抗癌剤治療のため入院される患者さんもいます。円形脱毛症の重症型である全頭脱毛症や汎発性脱毛症に対して副腎皮質ホルモン大量療法を数多く行っており、回復する可能性が高くなるとの報告があります。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx97x50x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 20 11.45 22.48 0 66.15
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 定義副傷病 なし 19 12.53 4.41 0 68.16
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 9.21 13.33 0 61.43
060020xx99x50x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし 12 8.75 7.61 0 66.33
060020xx99x30x 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 12 15.75 6.7 0 63.33
※院内では、「集学治療センター」の名称としています。

膵臓、大腸、胃などには、癌が発生することがあります。早期発見して、早期に手術することが最も望ましいとされますが、実際には進行して見つかり、手術が出来ないこともあります。そのような場合、癌の種類に応じて、最も効果があり、最も副作用の少ない抗がん剤を選択して、患者さんの治療を行っています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070590xx97x0xx 血管腫、リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2 なし 47 2.68 7.17 0 24.74
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 2 8.73 0 67.05
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 19 3.37 4.02 0 53.37
130030xx99x2xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 2あり 18 27.17 28.28 11.11 71
120060xx97xxxx 子宮の良性腫瘍 その他の手術あり 15 5.13 5.17 0 43.07
放射線科は大きく分けて診断と治療に分かれています。診断部門は主に画像下治療(IVR:Interventional Radiology)と消化管検査を担い、治療部門はあらゆる悪性腫瘍に対する根治的もしくは緩和的治療を、それぞれ各科と協力・連携しながら行っております。また、脊椎圧迫骨折に対する経皮的骨形成術も施行しております。血管腫、血管奇形に対する画像下治療を行なっています。形成外科、放射線科の集学的治療が必要であり、治療の種類によって形成外科病棟入院、放射線科病棟入院が決定されます。短期間の入院で治療できるメリットがあります。
入院時の疾患別では、放射線治療としては転移性骨腫瘍、転移性脳腫瘍、乳がん、肺がんに対する根治的/緩和照射が多く、画像下治療として、子宮筋腫、静脈奇形、動静脈奇形、外傷による出血、腫瘍、血管奇形、動脈瘤などからの出血、消化管出血、喀血、難治性鼻出血、産科出血、術後出血、圧迫骨折など多岐に渡り施行しております。 
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 39 2.95 3.82 0 4.69
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 27 3 3.15 0 65.74
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 16 3.88 3.2 0 25.06
070590xx97x0xx 血管腫、リンパ管腫 手術あり 手術・処置等2 なし 16 8.56 7.17 0 20.19
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 15 11.53 9.46 0 8.67
※院内では、「形成外科・顎顔面外科」の名称としています。

当科は特殊外来として血管腫外来を行っており、血管腫が増加しています。硬化療法や手術、レーザー治療と治療法を選択しながら積極的に治療を行っています。またレーザー外来も行っており、先天性母斑症、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑等の母斑症や単純性血管腫、いちご状血管腫等の血管腫も多く、積極的にレーザー治療を行っております。高齢化に伴い、眼瞼下垂の症例も多く、積極的に手術を行っています。また当科では小耳症等の耳介の先天性疾患、手足の先天性疾患の手術も増えています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 42 3.02 2.82 0 2.9
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 6.61 7.4 0 11.91
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 17 3.06 3.14 0 4.18
060570xx99xxxx その他の消化管の障害 手術なし 15 2.47 7.44 0 6.67
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 14 6 5.42 0 10.71
当科では通常の鼡径ヘルニア根治術に加え、腹腔鏡下での鼡径ヘルニア根治術(女児)や停留精巣に対する精巣固定術、臍ヘルニア根治術などの症例を多く取り扱っております。また当科の特色として近隣の重症心身障碍児施設からの胃食道逆流症の検査入院、直腸肛門奇形やヒルシュスプルング病に対する直腸肛門内圧検査などの消化管機能検査のための検査入院を行っています。
内分泌代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 39 13.72 6.35 0 58.97
100070xx99x000 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 85歳未満 32 16.22 11.05 0 56.28
100250xx99101x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり 24 17.08 9.21 0 53.29
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 17 20.94 13.9 0 59.24
100060xx99x100 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 14 16.36 13.16 0 48.71
当科では糖尿病、内分泌疾患、副腎腫瘍などの患者様が加療を受けられています。
糖尿病は膵臓からのインスリンの作用不足で血液中の糖が高くなる病気で放置すると様々な合併症を引き起こします。2型糖尿病は食べ過ぎ飲み過ぎなどの生活習慣の悪化が原因でインスリンが効きにくくなる生活習慣病として知られていますが、中にはインスリンを出す膵臓の細胞自体が免疫により破壊される1型糖尿病もあります。糖尿病合併症は神経障害、網膜症、腎症のほか動脈硬化に関連して脳梗塞や心筋梗塞、足の壊疽などをひきおこすこともあります。治療薬の選択肢も増えており、きちんと通院し治療を受けることで合併症を予防することができます。インスリンポンプや持続血糖測定等を用いた先進的な治療も行っています。

体の調子を整える様々な物質の事をホルモンと呼びます。内分泌疾患とは主にホルモンの分泌に異常をきたす病気の総称です。全身のホルモンの司令塔である下垂体のホルモンが不足すると体の疲れや食欲の低下などの症状が起こります。ホルモンが不足しているかどうかは負荷試験といった血液や尿などの検査から判断します。ホルモンは飲み薬や注射などで補充することができ、それにより症状の改善がみられます。
ホルモンを産生する臓器の一つに副腎があります。副腎にはホルモンの異常だけではなく、腫瘍も多くみられます。腫瘍自体がホルモンを産生しているものから、ホルモン産生はなくても腫瘍による圧迫により機能低下症をきたすものもあります。ホルモンを産生する腫瘍は、だいぶ症状が進行してから発見される例が多かったですが、最近は画像検査の発達により、症状がほとんど出ないうちに見つかる腫瘍も増えてきました。
診察などで異常をいわれた方、気になる症状のある方は放置せずにきちんと検査をうけましょう。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 157 12.66 11.87 1.27 67.6
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 肺切除術 気管支形成を伴う肺切除等 - - 9.29 - -
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 8.66 - -
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 8.98 - -
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし - - 10.36 - -
当科で扱う主な疾患は原発性肺癌、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔疾患、気胸、膿胸、胸壁腫瘍、中枢気道狭窄症などです。当院では呼吸器病センターの中に呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科があり、毎週これらの科で合同カンファランスを行って治療方針を検討しています。特に肺癌の治療では手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などを組み見合わせた集学的治療が必要であり複数の科で検討会を設けることが大切です。
肺癌に対する手術方法は症例によって最も適したアプローチ方法を選択します。特に胸腔鏡下手術に力を入れています。ほかに開胸手術、ロボット支援下手術も積極的に行っています。
呼吸器外科専門外来を月曜日~金曜日まで毎日行っています。当日受診も可能な限り受け入れています。時間帯・混み具合・学会時期などで変動がありますので、地域医療連携室へご連絡頂ければ受診予約がスムーズにできます。
精神神経科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 151 2 2.04 0 49.54
010300xxxxxxxx 睡眠障害 26 2 4.21 0 24
010230xx99x10x てんかん 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし - - 11.39 - -
030250xx990xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 なし - - 3.13 - -
160690xx01xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 脊椎、骨盤脱臼観血的手術等 定義副傷病 なし - - 32.06 - -
当院では統合失調症や気分障害をはじめとした種々の精神疾患の加療をおこなっています。当院の特徴に、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシーといった睡眠障害やてんかん専門外来があります。専門性が高いため、精査加療を目的として、県内外より多くの方が当院を訪れます。終夜睡眠ポリグラフ(PSG)、反復睡眠潜時検査(MSLT)、脳波検査等も数多く実施しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし 62 11.76 10.59 3.23 62.5
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 13 6.46 6.23 0 58.08
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 11 2.45 6.52 0 50.55
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 10 3.6 4.02 0 43.6
090010xx01x3xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 3あり - - 16.24 - -
※院内では、「乳腺・内分泌外科」の名称としています。

当院で行われた「乳腺悪性腫瘍:乳がん」に対する標準的手術として、上記の診断群分類別患者数表の中に示しているように、『090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房全切除術』が、最も多く62例を行いました。この中には手術の方法として以下の2種類が含まれます。
①胸筋温存乳房全切除術:乳房全てとわきの下のリンパ節を一部のみ摘出(センチネルリンパ節生検)あるいはわきのリンパ全てを摘出(腋窩リンパ節郭清)します。場合によっては、胸の筋肉の一部分を切り離すこともあります。②単純乳房全切除術は、乳房を全て摘出しますが、わきの下のリンパ節は摘出しない方法です。

『090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除 腋窩郭清を伴わないもの』は、③乳房温存術:乳頭は残し、しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法です。わきのリンパ節は一部のみ摘出(センチネルリンパ節生検)します。通常乳房温存術後には術側の残った乳房に対して放射線治療を行うことにより、乳房全摘と同等の治療成績が得られます。
以上の三つの術式が当院での最も一般的な乳がんの手術方法です。在院日数は③乳房温存術が平均6.46日で最も短く、乳房全切除術、特に同時乳房再建術を行う場合は平均約11.76日とやや長い入院が必要となります。
その他の手術として、乳がんの局所再発やリンパ節再発などに対し、摘出術を行って、1泊2日短期入院となります。術後の転院率は低く、ほとんどの患者さんが直接自宅退院できています。自宅での日常生活がリハビリになりますので、早期に社会復帰ができることが乳がん手術の特徴です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 41 20 24 21 123 53 1 8,7,6
大腸癌 61 36 68 64 71 83 1 8,7,6
乳癌 25 29 - - 28 25 1 8,7,6
肺癌 90 53 148 289 424 71 1 8,7
肝癌 21 52 72 23 168 226 1 8,7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【胃癌】胃癌治療ガイドラインを基本とし、本人やご家族と話し合いながら治療法を選択しています。胃癌も早期の段階で、みつかる症例が増えており、StageI胃癌のうちの一部の症例にはEMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの内視鏡的治療が行われます。しかし、内視鏡的治療で非根治切除となった症例や適応とならなかった症例には、胃切除術が行われます。StageII・III胃癌に対しては胃切除術を行い、症例により術後の補助化学療法を行います。これらの症例に対しでも腹腔鏡下に胃切除術を行っています。StageIV胃癌や再発症例に対しては原則的に手術は行わず、化学療法を行っています。

【大腸癌】大腸癌の初発症例の治療としては手術での治療が主流です。手術のアプローチ方法の一つとして腹腔鏡手術が導入され、患者さんの術後の疼痛が少なく回復が早くなるという低侵襲手術が主流となっていますが、症例によっては開腹手術を行うなど、患者さんにとってよりより手術術式を選択しています。また、当院消化器内科ではStage Iのうち大腸内視鏡を利用して内視鏡的に癌を切除(リンパ節郭清術の必要がない早期癌症例)することも行っています。この治療方法は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術(EMD)と呼ばれており、これも低侵襲治療となり患者さんに福音となっています。また、Stage IV症例のなかで切除できない症例や再発症例などに対し患者さんの病状に応じて、化学療法や放射線治療を積極的に実施し集学的で個別的な治療を行っています。

【乳癌】
近年、乳がんに対する社会認知が高まり、検診によって発見される症例も増えてきています,そのため、手術可能なstage I-IIの早期症例が多くなり、stageIII-IVの進行症例が減少傾向にあり、今もその傾向が続いています。当院の乳癌患者も同様にstage I-IIの早期症例は2/3以上を占めています。外科的治療法などについては前述をご参照ください。当院の乳癌進行(stageIII-IV)乳がんや再発患者さんに対しては、抗がん剤などによる化学療法の後に、がんの局所出血や皮膚潰瘍などをコントロールするために行われます。乳がんに対する集学的治療の一環です。

【肺癌】
UICC病気分類とは国際がん連合(UICC)によって定められた国際的な悪性腫瘍の進行度を示す病期分類です。治療方針決定の概要は、Stage I, IIとIIIA期の一部が手術の適応であり、Stage IIIA, IIIBは化学療法と放射線療法を同時併用する化学・放射線療法の適応、Stage IVは化学療法と考えられます。勿論これには例外も数多く存在し、症例ごとに検討してゆきます。また、術後に切除した組織を調べて得られる病理学的病期に基づいて、術後に化学療法を追加することも多くあります。癌細胞の種類、進み具合、全身状態から総合的に治療方針を決定しなければなりません。肺がんは多くの場合無症状のため早期発見が難しいとも言われ、健診や他疾患で撮影したCT写真で偶然みつかる場合も多い疾患です。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 13.2 49.7
中等症 33 16.91 63.82
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
元来、当院の呼吸器の入院は肺がんと間質性肺炎が多くを占めます。肺炎に関しての入院では、肺がん、COPD、間質性肺炎や気管支拡張症などの基礎疾患を有することが多くなっています。当院は市中病院やクリニックと異なり超高齢者や若年者の症例は少ない傾向にあります。入院になる症例は、呼吸器疾患の基礎疾患ばかりではなく、糖尿病や循環器疾患で通院している症例も多くなっています。入院になる症例は、比較的全身状態は良好ですが、呼吸器基礎疾患によって酸素飽和度の低下を認めるケースや併存症のコントロールが必要な場合があります。このような理由で、中等度の肺炎での入院の頻度が高く、入院も2週間前後となります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 55 28.85 69.91 40.63
その他 - - - -
当院では随時脳卒中患者を受け入れておりますが、重症度によって脳神経外科病棟か救命センターいずれかで対応しております。どちらも脳神経外科専門医が常駐していて、患者さんの状態に合わせた集中治療を提供しております。特に脳梗塞においては発症からどれくらいの時間で治療開始できるかが重要であり、適応を満たせばt-PA治療のみならず血管内治療による血栓回収療法を積極的に行い、患者さんの予後改善に努めています。
また無症状でも頚部内頸動脈の狭窄は動脈硬化を背景に進行し、重篤な脳梗塞の原因になる可能性があります。この病変に対して十分な評価を行い、必要性に応じてステント留置術などの血管形成術を行うことで脳梗塞発症のリスクを減らすことにも務めています。
もやもや病は若年に発症する稀な脳血管の閉塞・狭窄を来す疾患ですが、当科の専門領域であることもあって患者数は多く十分なノウハウがありますので、この疾患に対しても最善の治療を提供できると思います。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 等 601 1.16 2.5 0 73.32
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 224 1.25 10.44 0 62.81
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 150 1.07 6.37 0 70
K2683 緑内障手術(濾過手術) 46 0.91 11.96 0 71.37
K2422 斜視手術(後転法) 34 1 1.09 0 17.82
黄斑前膜、黄斑円孔、黄斑下血腫などの黄斑疾患の手術、糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、水晶体脱臼、増殖硝子体網膜症、眼内炎、眼外傷など網膜疾患の手術を行っています。緑内障手術は、点眼治療ではコントロールの難しい患者様に、流出路再建術、濾過手術、緑内障インプラント手術などがあります。斜視手術は、小児から高齢者まで手術の適応があれば手術を行っています。角膜混濁で適応があれば角膜移植術を行っています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 179 1.28 3.5 0 66.16
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 172 2.42 10.68 0.58 74.83
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 82 1.28 7.44 0 71.28
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(2cm以内)(その他) 77 2.25 5.82 0 73.29
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 59 3.42 8.66 3.39 69.36
内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術や内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術は、主に大腸の腺腫、胃、十二指腸の腺腫、早期癌に対し内視鏡を用いて病変部を焼き切る治療法で消化器内科において数多くの患者さんに対し行っています。病変部以外の胃、十二指腸、大腸を切り取ることがないので治療後の患者さんのクオリティーオブライフが保たれます。肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓術は進行肝細胞癌に対する標準的な治療法で、当病院でも数多くの患者さんに対し治療を行っています。肝悪性腫瘍に対するラジオ波焼灼療法は内科的な肝細胞癌の根治術として用いられています。内視鏡的胆道ステント留置術は短肝内結石や悪性腫瘍で胆汁の排泄が困難となった患者さんに対して胆管にチューブを挿入する治療法です。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 188 2.45 16.56 81.91 69.55
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 57 1.65 5.6 3.51 54.61
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 52 2.4 17 90.38 71.46
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 44 2.23 11.8 56.82 52
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 39 4.44 18.41 82.05 69.59
肩こりや四肢のしびれ、腰痛や下肢痛の原因となる脊椎疾患に対して多くの手術を行っています。低侵襲手術などの治療法の進歩により、かつては治療対象外とされていた重症で高難度の例、リスクの高い例にも生活の質を改善するために手術を選択することが増えています。糖尿病や高血圧など、治療中の病気がある場合には、手術の前に追加の検査や治療を受けていただくことがあります。
高齢者の大腿骨頚部骨折や椎体圧迫骨折さらには骨盤骨折の割合が増加しており、かつ高齢化に伴う骨粗鬆症の増加により複雑で高難度の骨折が増えています。重症かつ難易度の高い骨折に対して、専門的で高度な特殊外傷手術を行います。また、ドクターヘリで搬送しなければならないような、多発骨折、骨盤骨折、脊髄損傷などの重症の外傷患者さんの高難度手術例も県内外から受け入れています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 56 1.05 5.04 1.79 24.41
K305 乳突削開術 51 1.43 8.14 0 45.22
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 44 1 3.84 0 36.05
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) 32 1.97 10.72 3.13 61.03
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 32 1.28 4.84 0 55.09
※院内では、「耳鼻咽喉科・頭頸部外科」の名称としています。

久留米大学病院の耳鼻咽喉科で最も多く行っている手術は慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎、伝音難聴に対する鼓室形成手術です。乳突削開術は鼓室形成手術の状況に応じて追加する手術です。従来の手術は耳後部を6センチほど切開するので術後の入院期間が8日間程度必要でした。しかし近年、耳内から内視鏡を用いて鼓室形成手術を行うようになり、切開の範囲が2センチ以内と短くなり、術後入院期間が2日間と短くなりました。ただ耳後部を切開する患者さんもいます。
 次に多い手術は口蓋扁桃手術です。対象疾患は扁桃炎を繰り返す慢性扁桃炎や睡眠無呼吸症候群、IgA腎症などの病巣感染症で、手術後は約6日間の入院を要します。
 リンパ節摘出術は悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫瘍、リンパ節結核、炎症性リンパ節腫脹などの確定診断のために行われる手術です。血液内科など腫瘍を扱う内科、外科や肺結核を扱う呼吸器内科、感染症科、膠原病科などから手術の依頼を受けて耳鼻咽喉科が行います。
 最後に内視鏡下・鼻副鼻腔手術は慢性副鼻腔炎や鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎など一般的に蓄膿症が手術の対象となります。蓄膿症の手術は従来、口の裏の粘膜を6センチほど切開して行っていました。術後には疼痛と顔面の腫脹のため1週間以上の入院が必要でした。しかし近年、内視鏡を用いて鼻の中から手術を行うことで顔面の腫脹が無くなり、術後の入院期間が短縮しました。
心臓・血管内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 226 2.12 3.31 0.44 63.21
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他) 81 1.8 3.33 0 56.47
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 71 5.28 5.07 5.63 70.24
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 53 1.49 3.17 3.77 67.09
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 35 4.77 8.2 8.57 76.23
心臓・血管内科において実施している主な手術は、種々の不整脈疾患に対する「経皮的カテーテル心筋焼却術」が最も多く、次いで冠動脈疾患の治療である「経皮的冠動脈形成術」と「経皮的冠動脈ステント留置術」になります。いずれもカテーテル手術に分類されます。カテーテル手術とは、局所麻酔のもと動脈内あるいは静脈内にカテーテルを通して行う治療であり、外科的手術に比較して侵襲が少ないため、患者への負担が少なく、平均在院日数も短く治療可能であることが特徴です。「経皮的カテーテル心筋焼却術」は、不整脈を引き起こす異常な心筋の一部を、カテーテルを使って焼却し、正常な心臓のリズムを回復させる手術です。「経皮的冠動脈形成術」と「経皮的冠動脈ステント留置術」は、狭心症や心筋梗塞の原因である狭くなった心臓の血管(冠動脈)を血管の内側からバルーン(風船)やステント(金属)で拡げ、心臓の血流を回復させる治療です。さらに、内科で行う手術として、「ペースメーカー移植術」があり、これは、脈が遅くなることや正常な規則的リズムを保てなくなることによる心臓の異常がおこる不整脈に対して行われる手術で鎖骨の下の血管から心臓内部にリード線を挿入して心臓の正常なリズムを回復させます。手術後には縫合した傷の修復や、心臓内のリード線が安定するために安静が必要であり、状況により異なりますが平均約2週間の入院期間が必要です。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K867 子宮頸部(腟部)切除術 94 1.16 2 0 42.99
K867-4 子宮頸部異形成上皮レーザー照射治療 82 0 1 0 32.22
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 67 1.4 3.52 0 43.15
K879 子宮悪性腫瘍手術 43 3.12 12.4 0 60.95
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 42 4.76 10.43 0 58.93
子宮頸部切除術とは子宮頸部異形成に対して行う治療で子宮頸部円錐切除術とも呼ばれています。円錐切除術は子宮を温存することが出来ますが、その後の妊娠、出産にわずかに影響を与えることがあるため、条件を満たす場合は、より侵襲の軽いレーザー蒸散術をお勧めしています。子宮悪性腫瘍手術とは子宮頸がん、子宮体がんに対する開腹術および腹腔鏡下手術です。腹腔鏡下手術は小さな傷で手術が可能で入院も短期間で済むため、適応がある方(早期)には積極的に行っています。また、ロボット支援下内視鏡手術も保険適応となり、当院でも導入しております。子宮付属器悪性腫瘍手術とは、主に卵巣がんに行われる手術です。子宮付属器腫瘍摘出術とは、良性の卵巣腫瘍に対する手術で主に腹腔鏡下手術で行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 118 1.98 6.84 2.54 72.92
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 78 1.77 5.06 2.56 58.63
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 63 1.22 12.57 0 69.73
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 39 2.62 12.41 2.56 69.74
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 36 2.94 7.81 8.33 66.97
当院は、膀胱がん、腎がん、前立腺がんなどの悪性腫瘍の手術から、尿路結石や前立腺肥大症などのがん以外の手術まで幅広く治療を行っております。また、ロボット支援下手術や腹腔鏡手術、レーザーを用いた手術などを積極的に行っており、患者様の負担が少ない低侵襲手術を心がけております。そのため、ほとんどの手術で入院期間は、1~2週間程度となっております。悪性腫瘍では、膀胱がん、腎がん、前立腺がんの手術数が特に多く、がん以外の疾患では、腎結石・尿管結石などの手術を数多く行っております。手術後は、患者様の負担が少なく、安心して過ごせるように、かかりつけ医と連携しながら、経過をみていきます。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 68 3.38 13.29 0 71.41
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 等 48 3.75 19.67 10.42 72.06
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 等 41 3.54 20.73 2.44 65.51
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 39 3.26 6.67 2.56 61.64
K7322 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う) 35 2.49 11.03 0 66.09
※院内では、「食道外科」、「胃大腸外科」、「肝胆膵外科」の名称としています。

【胃大腸外科】
胃の悪性腫瘍に対して、多くの症例に腹腔鏡を用いた低侵襲な胃切除術を行っています。粘膜内がんに対してはEMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が行われていますが、リンパ節郭清の可能性のある早期がんや進行胃がんに対してはリンパ節郭清を伴う胃切除が必要になります。約8割の方に腹腔鏡を用いた胃切除術を行っています。開腹手術に比べ手術侵襲や術後疼痛が少なく、術後在院日数も短くなっています。また、2018年より一部の症例においては手術支援ロボットを用いたロボット支援下胃切除術を施行しています。

大腸癌の手術において、最近では腹腔鏡下に手術を行う比率が多くなってきました。表にありますように、腹腔鏡下の結腸悪性腫瘍切除術は68例、直腸切除・切断術は41例と増加傾向にあります。この術式はとても侵襲の少ない術式であり、この方法が適した患者さんには積極的に導入しています。人工肛門閉鎖術は35例に行っていますが、これは直腸癌手術の中でも肛門に近いところで吻合(腸をつなぐこと)した症例では、一時的には人工肛門を造設し、そちらから排便をしてもらうようにしています。3〜6ヶ月経過してから安全に人工肛門を閉鎖することで、自然肛門から排便できるようになります。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 51 4.45 22.41 72.55 67.78
K5551 弁置換術(1弁) 45 5.16 29.24 55.56 72.27
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 36 0 1.06 0 67.25
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 29 10.48 18.34 24.14 86.48
K5552 弁置換術(2弁) 19 5.21 27.26 78.95 75.74
当院では弁膜症、虚血性疾患、大動脈疾患など、心臓血管外科手術の全ての手術に対応可能です。さらに大動脈瘤に対するステント治療、大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁植え込み術、下肢静脈瘤に対するレーザー治療などの低侵襲治療も積極的に行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 63 6.49 28.35 20.63 56.49
K1781 脳血管内手術(1箇所) 33 1.85 14.06 3.03 60.55
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 30 2.4 10 0 61
K1742 水頭症手術(シャント手術) 22 24.5 26.5 45.45 51.77
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 16 4.44 20.63 43.75 71.69
手術別にみますと良性、悪性問わず脳腫瘍に対する腫瘍摘出術を最も多く行っております。実際のところ脳腫瘍の手術数はここに示す数だけではなく、術式の異なる経鼻内視鏡手術や腫瘍生検術、広範頭蓋底手術などをあわせると年間100例近い症例数があります。脳血管内治療は破裂・未破裂脳動脈瘤に対する治療だけでなく、狭窄・閉塞性疾患に対するステント留置術や血栓回収治療まで広くカバーしています。現在は限られた施設でしか行えないフローダイバーター留置術も施行可能です。脊椎疾患では前方アプローチ、後方アプローチ、固定の有無など術式を問わず患者さんに提供が可能であり、最適な手術方法を検討した上で術中モニタリング下に行っております。慢性硬膜下血腫は高齢者の認知症や麻痺および歩行障害の原因となる疾患の一つですが、局所麻酔下の手術で症状の改善が期待できます。地方の医療圏を担う大学病院であることから、このような高齢者に頻度の高い疾患に対しても柔軟に対応しています。症状の完全な入院日数や転院に関しては疾患の程度にもよりますが、疾患にかかわらず術後2週間以内の自宅退院を目指しております。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 23 0.04 1.57 0 63.39
K0102 瘢痕拘縮形成手術(その他) 17 0.94 8.71 0 35.29
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後) 12 1 9.92 0 52.08
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
K288 副耳(介)切除術 - - - - -
※院内では、「形成外科・顎顔面外科」の名称としています。

疾患数でも多い眼瞼下垂は、手術件数においても多くみられます。また外傷等に伴う瘢痕拘縮(傷跡の引きつれ)に対する手術も多くみられます。また乳癌手術後の人工乳房(シリコンインプラント)による乳房再建術が保険適応されてから、当科においても人工乳房を用いた乳房再建術が増加しています。ただし2019年8月からは一部のインプラントで使用不可となりました。今後は自家組織での再建が増加するものと思われます。次に眼瞼内反症の手術や血管腫の摘出術も多い傾向がみられます。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 110 4.56 7.97 0 34.65
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 67 5.27 8.27 0 32.28
K9062 子宮頸管縫縮術(シロッカー法) 18 1.61 9.28 0 35.17
K897 頸管裂創縫合術(分娩時) 11 2.18 5.55 0 31.18
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) - - - - -
妊婦さんには、分娩予定日よりかなり早期に出産される方(早産)、あるいはその恐れのある方(切迫早産)、年齢の比較的高い方、双子の赤ちゃんを妊娠している方、糖尿病、高血圧症など様々な内科的疾患をもっておられる方など、いわゆるハイリスク妊婦さんが数多く来院されています。当院では高次周産期医療施設として、このような様々なリスクをお持ちの妊婦さんを中心として、妊娠、分娩管理を行っています。
 赤ちゃんは狭い母体の産道を通過して、生まれてきます。赤ちゃんと産道の関係は、ねじとねじ穴との関係に例えることができます。分娩に長時間を要する、いわゆる難産の主な原因として、1)ねじがねじ穴にきちんとはまっていない(児頭の回旋異常)、2)ねじが固い(軟産道強靭)、3)ねじを回す力が弱い(微弱陣痛)の3つがあります。1)あるいは2)の場合は、最初から帝王切開を選択する(選択的帝王切開)(K8982)、あるいは分娩経過をみて、帝王切開に切り替える(緊急帝王切開)する(K8981)ことがあります。お産の経過中に、赤ちゃんの心拍が低下(低酸素状態)した場合、帝王切開となることもあります(K8981)が、赤ちゃんの頭が産道の出口付近のある場合は、吸引娩出術(K893)といって、赤ちゃんの頭に吸引カップと呼ばれる器械を装着して、出産していただくこともあります。
当院の特徴のひとつとして、前述のハイリスク妊婦さんに対して、選択的あるいは緊急帝王切開を行う方の割合が増加しています。そのような妊婦さんが次に妊娠した場合、前回行った子宮切開部分が脆弱化し、分娩の途中に頻度は少ないものの子宮破裂を来すことがあります。このため、帝王切開を経験した多くの妊婦さんは、次回以降も帝王切開を行うことが多くなっています。
流産手術(K9091)は、様々な理由により流産に至った妊婦さんに行う手術です。当院での手術数は比較的少ないようです。当科の性格上「妊娠の安定期」(妊娠初期)を超えて他医療機関からご紹介いただく患者さんが多いことがその一因と考えられます。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 24 12.79 24.63 87.5 68.58
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 17 0 5.94 94.12 66
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 16 0.5 11.19 62.5 70.88
K5461 経皮的冠動脈形成術(急性心筋梗塞) 15 0 6.4 86.67 65.33
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 10 0.5 29.4 80 74.5
※院内では、「高度救命救急センター」の名称としています。

高度救命救急センターは3次救急医療施設として、内因性、外因性を問わず、重症の救急患者を受け入れています。意識障害や呼吸不全のため人工呼吸器装着を長期に必要とする症例に対しては、気管切開を行うことで合併症の予防や長期鎮静を回避し、早期リハビリによる社会復帰を目指しています。狭心症や心筋梗塞といった緊急を要す冠動脈疾患に対しては、冠動脈ステント留置術や冠動脈形成術を、また、外傷例に限らず血管損傷を伴う出血症例に対しては、止血を目的とする血管塞栓術を、経皮的に行うこと(血管内治療)で低侵襲下に根治的治療を行っています。脊椎・脊髄損傷例に対しては、症状に応じた脊椎固定術や神経の圧迫を解除する脊椎手術を早期に積極的に施行し、神経学的予後の改善や早期リハビリテーション開始を目指し治療を行っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 等 92 2.4 10.49 2.17 68.78
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 41 2.34 6.22 0 63.63
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 12 2.42 11.33 0 68.92
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 11 3.18 8.64 0 69.36
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) - - - - -
当科で扱う主な疾患は原発性肺癌、転移性肺腫瘍、良性肺腫瘍、縦隔疾患、気胸、膿胸、胸壁腫瘍、中枢気道狭窄症などです。当院では呼吸器病センターの中に呼吸器外科、呼吸器内科、放射線科があり、毎週これらの科で合同カンファランスを行って治療方針を検討しています。特に肺癌の治療では手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などを組み見合わせた集学的治療が必要であり複数の科で検討会を設けることが大切です。
肺癌に対する手術方法は症例によって最も適したアプローチ方法を選択します。特に胸腔鏡下手術に力を入れています。ほかに開胸手術、ロボット支援下手術も積極的に行っています。
呼吸器外科専門外来を月曜日~金曜日まで毎日行っています。当日受診も可能な限り受け入れています。時間帯・混み具合・学会時期などで変動がありますので、地域医療連携室へご連絡頂ければ受診予約がスムーズにできます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 107 1.52 9.77 4.67 76.43
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) 24 0.96 4.71 0 52.83
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) 15 0.8 3.47 0 30.2
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 11 1 6.55 0 34.09
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満) - - - - -
皮膚科で行われる手術では、様々な部位に発症した皮膚悪性腫瘍に対する皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)が最も多く、母斑や良性腫瘍に対する切除も多く行っています。皮膚科における手術症例数は、多い順に ①皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)、②皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満)、③皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満)、④皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満)、⑤皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径6cm以上12cm未満)となっています。再建としての植皮術や皮弁作成術なども主として当科症例は自科内で行っています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 72 9.24 17.17 1.39 68.14
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 64 7.58 5.34 4.69 73.09
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 20 4.8 18.35 0 65.35
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
当科では直接透析業務に従事する腎臓内科医が内シャント設置術、経皮的シャント拡張術、腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術を行っています。他病院と比べ腹膜透析関連の手術が多いことが特徴です。
1番目の内シャント設置術は、血液透析が可能となる血管を作成する手術です。新規の血液透析患者さんや、血管拡張術が困難なシャント閉塞の症例に対する再造設もこれに含まれます。

2番目の経皮的シャント拡張術、血栓除去術はバスキュラーアクセスのトラブル(主にシャント狭窄)に対し行われますが、当院の外来・入院患者さんだけでなく、近隣透析クリニックからの治療依頼も受けております。基本的には1泊2日の入院で行っており、拡張した血管が翌日の透析で使用可能であることを確認し退院となります。

3番目は連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術で、腹膜透析を導入する際に行います。
腹膜透析とは自分の体にある“腹膜”を介して透析液により血液をきれいにする透析です。自分の腹腔内に透析液を注液し、腹膜を介して過剰な水分や老廃物を交換させます。血液透析よりも残っている腎臓の機能をより長く保つことができますし、在宅透析ですのでライフスタイルに合わせて行うことができることも特徴です。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K574-2 経皮的心房中隔欠損閉鎖術 45 2 3.11 0 11.2
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 22 0 50.09 4.55 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 17 0 51.18 5.88 0
K5621 動脈管開存症手術(経皮的動脈管開存閉鎖術) 13 2 2.85 0 5.15
K2762 網膜光凝固術(その他特殊) - - - - -
当科においては13の専門分野のスペシャリストが小児の内科的疾患を幅広く診療していることが特徴です。中でも循環器グループにおいては、動脈管開存症、心房中隔欠損症等のカテーテル治療の症例数が非常に多く、低侵襲の治療を可能にしております。川崎病は、難治例の治療経験も豊かです。新生児グループは、総合周産期母子医療センターを有しており、早産に伴う2500g未満の低出生体重児を数多く入院治療を行っています。神経グループでは初発のてんかんからWest症候群など難治性てんかんの患者さんを多く診ています。てんかんは発作の正確な診断が重要で適切な治療につながります。治療は抗てんかん薬の調整、ACTH療法、ケトン食療法、てんかん外科への適切な紹介を行っています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 45 0.84 1.4 0 63
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 34 0.74 3.29 5.88 47
K0032 皮膚皮下粘膜下血管腫摘出術(露出部、長径3cm~6cm未満) 16 0.06 1.56 0 26.56
K0031 皮膚皮下粘膜下血管腫摘出術(露出部、長径3cm未満) 10 0.1 1.5 0 24.9
K6172 下肢静脈瘤手術(硬化療法) - - - - -
静脈内持続注入用埋込型カテーテル留置とは、血管内に刺した細い管(カテーテル)を皮下に留置し、必要なときに対外から接続して薬剤を投与できるようにする小さな器具を皮下に留置することです。抗悪性腫瘍剤は漏れると皮膚に重大な障害をきたす可能性があるため、静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置を行うことで、確実に静脈内へ薬剤を投与することが出来ます。
 血管塞栓術とは、血管にカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、カテーテルから塞栓物質を注入することで、血液の流れを止める治療です。対象となる疾患は、外傷による出血、腫瘍、血管奇形、動脈瘤などからの出血、消化管出血、喀血、難治性鼻出血、産科出血、術後出血、など多岐に渡ります。また静脈奇形に対する硬化療法、動静脈奇形に対する血管塞栓術に対しても多数例の治療を行なっております。
 経皮的椎体形成術とは、骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折の疼痛緩和や安定性増強を目的とし、穿刺針を経皮的に椎体を穿刺し、骨セメントを注入する手技です。
 静脈内持続注入用埋込型カテーテル留置、血管塞栓術、経皮的椎体形成術の検査・治療を行うにあたり、入院が必要な場合は当科病棟にて対応しています。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 等 83 2.78 11.7 1.2 64.8
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 17 3.88 11.41 5.88 63.35
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 - - - - -
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 - - - - -
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 - - - - -
※院内では、「集学治療センター」の名称としています。

抗がん剤の投与の、長期間に渡る点滴が繰り返し必要になります。中心静脈ポートは、皮下に埋め込むカテーテルで、先端は心臓近くの太い血管に留置されます。このカテーテルを使用することで、患者さんに安全にかつ繰り返す血管穿刺をすることなく、抗がん剤を安全に投与することが可能になります。悪性腫瘍により、肝臓から腸管へ胆汁を排出する胆道の通りが悪くなると、黄疸が生じます。内視鏡的胆道ステント留置術は、開腹手術ではなく、口から細い内視鏡を十二指腸まで入れて、そこから狭くなった胆道を広げることで、黄疸を改善する処置です。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 29 1 1.03 0 2.59
K836 停留精巣固定術 15 1 1.07 0 4.47
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 14 1 1 0 3.57
K6333 臍ヘルニア手術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
当科では、小児外科で一般に取り扱う鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡手術、停留精巣に対する精巣固定術、臍ヘルニアへの根治術に加え、近隣の重症心身障碍児施設からの症例に対して安全性に配慮した腹腔鏡補助下胃瘻造設術を行っております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 18 1.72 7.94 5.56 69.39
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 17 1.88 8.76 5.88 63.59
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 14 1.21 4.43 0 59.71
K0221 組織拡張器による再建手術(乳房(再建手術)) 10 1.3 12.6 0 49.3
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う)) - - - - -
※院内では、「乳腺・内分泌外科」の名称としています。

通常、乳がんを含む乳房の切除と同時に、わきの下のリンパ節も摘出します。これを『腋窩リンパ節郭清』といいます。腋窩リンパ節郭清は、乳がんが転移する領域のリンパ節再発(鎖骨や首まわりのリンパ節)を予防するだけでなく、転移の個数によって再発の可能性を予測し、術後に再発予防のための薬物療法が必要かどうかを決定します。しかし、腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした腕にリンパ浮腫(むくみ)が出たり(頻度は10~20%程度)、肩の痛みや運動障害が起きることがあります。
それを減らすために、術前に明らかなリンパ節転移がない方にはセンチネルリンパ節生検(腋窩部郭清を伴わないK4762,K4763)を行うようになりました。センチネルリンパ節とは日本語で「見張り番リンパ節」という意味で、乳房のがんからリンパの流れに沿って、初めに到達する腋窩リンパ節のことを指します。乳輪に放射線同位元素(RI法)やインジゴカルミン色素(色素法)を注射することにより見つけることができます。センチネルリンパ節に転移がないとき、多くの場合(90%以上)、わきの下のリンパ節に転移がないということがわかっています。センチネルリンパ節生検でがんの転移を認めない場合、腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよいことが研究で証明されています。当院の乳がん症例も半数以上がセンチネルリンパ節生検を行っています。また、当院においては従来の色素法、アイソトープ(RI)法に加え、蛍光色素法(ICG法)によるセンチネルリンパ節検出を行っております。入院期間や転院率については前述通りです。

浸潤のある(乳管外へがん細胞が広がった)乳がん、あるいはリンパ節転移を認めた乳がんは早期から全身に微小転移をきたし,手術のみでは根治できない症例が多いと考えられています。そのため術後に再発予防目的で点滴の抗がん剤や分子標的治療、内服のホルモン療法を患者さんの進行度、乳がんのタイプに合わせて行っていきます。術前にリンパ節転移が多い、腫瘍が大きいなど進行している場合や、腫瘍を小さくして乳房温存手術を希望される場合には,手術前に抗がん剤治療を行うこともあります。その治療期間は約3-6ヶ月と長期にわたるため、抗がん剤による血管の静脈炎を防ぐ目的で、埋め込み型カテーテルを頚部の太い血管に設置する手術(抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置)を、部分麻酔、1泊入院で行っています。

また近年、乳がんに対する全乳房摘出術を行った後に、人工のシリコンインプラントによる乳房再建術(組織拡張器による再建手術 K0221)が保険適応となり、平成30年度では、乳がん手術の14.38%の患者さんが再建手術を受けました。しかし、現在シリコンインプラント挿入後に未分化大細胞型リンパ腫(血液のがん)を発生する事例が報告され、シリコンインプラントおよびティシュエキスパンダー(組織拡張器)は令和元年7月末の時点で、全世界で自主回収となっております。今後は別のタイプのシリコンインプラントやティッシュエキスパンダーの販売再開を待つか、自家組織(背中の筋肉やお腹の脂肪)を用いた再建法を行うしかないのが現状となっています。入院期間や転院率については前述通りです。
血液・腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 26 20.69 3.54 0 59.23
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 20 13.3 7.35 5 63.5
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K145 穿頭脳室ドレナージ術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
自家末梢血幹細胞移植は、患者さんから予め末梢血幹細胞を採取して冷凍保存した後、患者さんに大量の抗がん剤を投与し、がんの治療を行った後、冷凍保存しておいた末梢血幹細胞を解かして点滴することで、造血を回復させる治療です。通常のがん化学療法より、大量の抗がん剤を使用することが可能となり、治療効果が改善することが期待されます。この治療は、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などに対して、治癒や生存期間の延長を目的として行われます。
抗がん剤の投与の、長期間に渡る点滴が繰り返し必要になります。中心静脈ポートは、皮下に埋め込むカテーテルで、先端は心臓近くの太い血管に留置されます。このカテーテルを使用することで、患者さんに安全にかつ繰り返す血管穿刺をすることなく、抗がん剤を安全に投与することが可能になります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 45 0.25
180010 敗血症 同一 18 0.1
異なる 28 0.16
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 100 0.56
異なる - -
【播種性血管内凝固症候群、敗血症】
救命救急センターは3次救急医療施設として、内因性、外因性を問わず、重症度の高い救急患者を主に受け入れています。これらの重症患者では、ショックや臓器障害を合併することが多く、原疾患とともに、合併した様々な臓器障害に対しても集中的な治療が必要となります。特に、血液を固め止血する機能が破綻することにより易出血性状態となるDIC播種性血管内凝固症候群と呼ばれる病態や、重症病態時に陥りやすい免疫能力低下を背景に生じる重症感染症(敗血症)は、重症度の高い患者に生じやすい特徴的な病態で、臓器障害の一因となるため、救命センターでは原疾患に対する治療と同時に、これらに対しても早期から積極的な治療を行っています。

【手術・処置等の合併症】
手術・処置等の合併症において、入院契機が同一となる100件のうち、腎臓内科で59件を占めています。主なものとしては、透析シャント狭窄(42件)となります。

腎臓内科では新規透析導入患者、内科的に治療困難なバスキュラーアクセストラブル患者に対して内シャント設置術を施行しています。術後早期(2~3週間)でバスキュラーアクセスのトラブルをきたし、再治療が必要になることも少数ながらありますが、ほとんどは経過良好なシャント血管となり、安定して血液透析に使用されています。しかしながら、患者さんの中には術後数カ月から数年単位を経てシャント狭窄などのアクセストラブルをきたし、治療を要することがあります。治療法としては経皮的血管拡張術で対応可能なケースが大半ですが、血管拡張術では治療困難な例は、再度シャント設置術が必要となり、シャント閉塞例がこれに含まれることが多くなっています。
更新履歴
2019年9月30日
平成30年度 病院指標の公開