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久留米大病院

採用情報

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)装置

うつ病に対する新規治療:反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)装置のご紹介

うつ病について

本邦において医療機関を受診している精神科患者数は約420万人を超えており、世界規模では、うつ病だけで約3億2千万人、自閉スペクトラム症が約2200万人、統合失調症は約2300万人、認知障害患者は約3000万人以上だいわれています。本邦のうつ病人口は現時点で130万人以上に上り、そのうちの3分の1以上が薬物治療によって症状が改善せず、病状が長びいていると言われています。うつ病に対する治療方法としては、薬物療法、精神療法、および電気けいれん療法(ECT)が一般的に行われていますが、近年、薬物治療抵抗性うつ病に対する新たな治療法として反復経頭蓋磁気刺激(TMS)療法が開発され、2019年6月より保険承認されました。

rTMSおよび当院での治療について

2021年8月より当院精神科にて反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)装置が導入されました。
rTMSは既存の抗うつ薬による十分な薬物療法によっても効果が認められない中等症以上の成人うつ病患者に適応される新規治療のひとつです。
原理としては、治療コイルから流れる電流によって形成される磁場変動に伴う過電流を利用し、大脳皮質(左背外側前頭前野:右図)の神経を刺激して活動性を変化させるというものです。これにより、意欲・思考・認知機能などが改善するとされています。
治療効果としては、一般のうつ病患者では約3割が抗うつ薬への反応が乏しく、その非反応例のうち3~4割がrTMS療法に反応するとされております。
頻度の高い有害事象として、頭痛(約10%)や刺激部の不快感(約30%)などが報告されていますが、重篤な副作用の報告は少なく(けいれん発作0.1%未満)、安全性が高いことも特徴です。
禁忌事項は、人工内耳、磁性体クリップ、心臓ペースメーカーなどの存在です。
治療にかかる期間は、1回40分、週に5日、合計25~30回を目安に施行していきます。
連日の施行であるため、当院では原則入院下でのrTMS療法に限らせていただいております。
  • (rTMS装置と実際の治療中の様子)
「薬を飲んでもなかなか治らない」、「副作用ばかり出て困る」など、様々なお悩みで困っているうつ病患者さんへの一助となればと思っております。
ご希望の患者様がいらっしゃればお気軽にお問合せ頂ければ幸甚です。

お問合せ

久留米大学病院 精神神経科
TEL:0942-31-7613
(月~金曜日 8:30~17:00)