チーム医療

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チーム医療
 久留米大学病院では、高度で安全な医療を提供するために、専門の多職種によるチームが治療のサポートに取り組んでいます。チームは多職種がメンバー構成を行いそれぞれの専門性を尊重し、明確な目標に向かい、患者さんを多角的にサポートしていくため、情報の共有・カンファレンス・ラウンドなどを実施し、医療サービスの向上を目指しています。スタッフは専門的知識を集合し、患者さんにとって何がベストか考えてケアを実施しています。
セーフティコントロールチーム(SCT) 感染対策チーム(ICT)
対象
院内全部署

チームの目的
インシデントレポートの中から、直接部署の状況確認が必要と考えられる事例について部署を訪問します。
現場でインシデント内容を分析し、再発予防策が考えられているか、マニュアルが守られているかなど改善状況を確認します。

参加メンバー
医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士又は作業療法士、事務職員

特徴
インシデントレポートとは、日常の業務の中で「ヒヤリ」としたり「ハッと」したことを報告するものです。多職種で構成されたチームが部署を訪問することで、各専門職の立場から安全性を評価し、具体的なアドバイスができます。改善状況を確認するため再度訪問することもあります。

 
対象
病院内の全ての人・全ての部署

チームの目的
ICTでは患者さんや職員、お見舞の方などが感染症に罹患することがないように、感染症予防および感染対策推進と強化を目的に活動しています。



 
参加メンバー
医師、研修医、看護師、薬剤師、臨床検査技師、 理学療法士、管理栄養士、環境管理室、事務、医学部や薬学部学生など

特徴
ICT活動は、地域や病院内の感染症発生状況の把握やサーベイランス実施、各種コンサルテーションや教育など多岐にわたりますが、主に各部署の感染対策改善を図るため、ICTメンバー全員で病院内の環境ラウンド(1回/週)を行っています。ラウンド場所は病棟や外来だけでなく、食堂や病院保育所などにも入ります。
毎週、各職種の専門性を生かした視点で現場を確認し情報共有することで、具体的な感染対策の改善提案や対応について、迅速かつ的確に行うことが可能です。
抗菌薬適正使用支援チーム(AST) 呼吸療法チーム
対象
・血液等の無菌材料から菌を検出した患者さん
・指定抗菌薬(カルバペネム系、注射用ニューキノロン系、4世代セファロスポリン系、抗MRSA薬等)を使用患者さん
・注射用抗菌薬を長期(14日以上)使用している患者さん
・ASTに相談(コンサルテーション)があった患者さんなど

チームの目的
感染症患者さんの治療の支援を行います。
病院内の耐性菌発生を最小限に抑えるために抗菌薬の適正使用に努めます。


 

参加メンバー
医師、研修医、看護師、薬剤師、臨床検査技師、医学部学生など

特徴
ASTでは感染症を発症した患者さんが一日も早く退院できるように、チームで治療をサポートします。必要に応じて患者さんのベッドサイドで診察を行い、担当医と治療について協議し、支援を行います。また注射や経口の抗菌薬使用状況をモニタリングし、院内の適正な抗菌薬使用を推進し、教育を行っています。
さらにICTと協力し、感染対策の推進を行います。
対象
慢性呼吸器疾患の安定期および急性憎悪の患者さん、術前より呼吸器合併症のリスクのある患者さん




 
チームの目的
慢性呼吸器疾患を持つ患者さんや術後合併症のリスクの高い患者さんに対して、老若男女問わず外来・病棟と幅広く呼吸ケア・リハビリテーションを行っています。
また患者教育は勿論のこと、病棟横断的活動の中でスタッフに対しても適切なケアの方法やアセスメントの教育活動も行っています。

参加メンバー
医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士

特徴
院内横断的活動を行っており、術後急性期の患者さんに対しては、毎朝チーム回診を行って本日のケア・リハビリテーションの計画を確認して患者にあたっています。
また週1回の合同カンファレンスでは、ケア・リハビリテーションの進捗状況の確認から修正に至るまで、メンバー全員と情報共有しながらケアにあたっています。
褥瘡対策チーム 栄養サポートチーム(NST)
対象
褥瘡のある患者さん、褥瘡予防ケアが必要な患者さん



 
チームの目的
褥瘡予防と治療の推進と向上の充実を目的に、院内全体の褥瘡対策を行う。
質の高い褥瘡ケアを提供し、患者さんが安心して入院生活を送れるように努めます。

参加メンバー
形成外科医師、皮膚科医師、褥瘡管理者、皮膚・排泄ケア認定看護師、褥瘡専任看護師、管理栄養士など

特徴
院内全体の褥瘡予防対策の検討や褥瘡予防に関する研修会を実施し、情報共有に努めています。第1~3週の火曜日の褥瘡回診では、褥瘡発生した患者さんを中心に治療内容を多職種で考え、病棟スタッフへの指導など行っています。
また、褥瘡専任看護師を対象に研修会を実施し、各部署でのリーダーシップを発揮してもらえるように院内教育と育成に取り組んでいます。



 
対象
・栄養障害を有する患者さん
・経口摂取または経腸栄養への移行を目的とした患者さん
・栄養治療により改善を見込めると判断した患者さんなど

チームの目的
栄養管理が必要な患者さんに各専門のスタッフが最良の方法で支援し、栄養状態の改善に努めています。


 
参加メンバー
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、調理師、臨床検査技師、言語聴覚士、理学療法士、事務職員

特徴
2002年から活動を開始しました。各疾患の専門医や歯科医師、専門のスタッフと連携し、多様なサポートを行っています。
また教育施設として、NST専門療法士研修やNSTセミナーにも力をいれています。急性期の患者さんが多いため、NST支援中に退院・転院になることも多く、退院後の地域連携にも取り組んでいます。
【施設認定】
 2004年 日本静脈経腸栄養学会 「実地修練認定教育施設」 
 2004年 日本静脈経腸栄養学会 「NST稼働施設」
 2006年 日本栄養療法推進協議会 「NST稼動施設」
精神科リエゾンチーム 認知症ケアチーム(DCT)
対象
一般病棟に入院中で、不眠や精神的・心理的な症状でお困りの患者さん

チームの目的
入院中の患者さんに起こりうる不眠・不安・抑うつ・せん妄などの症状や心理的問題を、主治医・看護師など病棟スタッフと「連携」し、安心して入院生活が送れるようサポートを行うことを目的としています。

参加メンバー
精神科医師、精神科看護師、薬剤師、精神保健福祉士
 

特徴
1983年5月からコンサルテーション精神医学を導入し、精神科医師が各病棟の担当医や看護師に助言を行う、「御用聞き」的な手法でリエゾン回診を実施してきました。
2016年10月より、多職種で専門性を活かしたチーム医療を通じ、精神的・心理的な症状でお困りの患者さんのサポートを充実することを目的に、多職種で構成する精神科リエゾンチームとして活動しています。対象者の皆さんの症状が少しでも軽減できるように、チームでサポートしていきます。
対象
認知機能低下のある高齢者
せん妄ハイリスクの高齢者

 
チームの目的
高齢者や認知症の方に対し、入院の様々な環境変化に伴う不安、不眠や混乱を、病棟スタッフとの協働支援により最小限にし、安全安心な医療提供と早期退院支援を図ります。
 

参加メンバー
医師(認知症サポート医含む)、看護師(老人看護専門看護師)、精神保健福祉士

特徴
高齢者や認知症の方は、入院を契機に抑うつや意欲の低下による認知機能低下、認知症症状の悪化を招くことがあります。また環境変化等により、不眠、不安や「せん妄」などの意識障害を生じ、一時的に混乱する状態になりやすいため、これらをできる限り早期に発見し、予防するケアが大切です。
認知症ケアチームは、各々の専門性を活かし、患者さんの課題に応じ主治医、病棟スタッフと協力し、早期治療・療養環境の支援を行います。

 
緩和ケアチーム 心不全支援チーム(HST)
対象
入院や通院している患者さんとそのご家族です。
つらい症状を和らげる緩和ケアは、病気になったときからいつでも受けることができます。病気を治すための治療と一緒に緩和ケアを受け、よりよい状態で治療を受けられている患者さんも多くいらっしゃいます。

チームの目的
多職種でさまざまなつらさを緩和し、より過ごしやすくなることを目的としています。

参加メンバー
医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、作業療法士、理学療法士

 
特徴
それぞれの専門家が意見を出し合い、質の高い適切なケアを提供します。院内外のさまざまな人と人、ケア、サービスのつなぎ役になります。
心不全支援チーム(HST)と合同カンファレンスを開催するなど、他の專門チームと協働しています。
日本緩和医療学会緩和ケアチーム登録や緩和ケアチームセルフチェックプログラムを通して、チーム活動の評価を行い、質の向上に努めています。
対象
心不全を中心とした循環器疾患をお持ちの患者さんとそのご家族が対象です



 
チームの目的
心不全支援チームは、主治医チームと一緒に心不全治療に関する様々な専門的サポートを行うと共に、緩和ケアに関するご相談も受け付けています

参加メンバー
医師(心臓・血管内科・心臓血管外科)、看護師(病棟・外来)、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、理学療法士、臨床工学技士から構成され、当院の緩和ケアチームとも一緒に活動しています

特徴
HSTからは次のような支援が受けることができます。詳しくお知りになりたい方は、担当医師や看護師にお気軽にご相談ください。
・心不全のことや今後の治療などについて色々相談したい
・不安や気分の落ち込み、不眠などに対するカウンセリングや治療を受けたい
・治療や生活にかかるお金や、仕事の問題などについて相談したい
・息苦しさやだるさ、痛みなどのつらさを和らげて欲しい
・自分らしく生きるために、もしもの時に備えて、これからの話合いをしたい