腫瘍センター
子宮頸がん
はじめに
子宮は解剖学的に子宮頸部と子宮体部に分けられます。子宮の下部、腟に近い部分を子宮頸部といい、子宮の上部、妊娠中に赤ちゃんが育っていく部分を子宮体部といいます。それぞれの部位に発生するがんを子宮頸がん、子宮体がんといいます。子宮頸がんと子宮体がんは、全く性格の異なるがんであり、治療法も異なります。
子宮頸がんは初期には無症状であり、不正性器出血、性交時の出血などで気付かれる場合は既に腫瘤を形成している場合があります。特に更年期や以前より月経不順のある場合には異常出血と区別がつかず、注意が必要です。腫瘤が壊死となり悪臭のあるおりものを自覚される場合には既に進行している場合もあります。また、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮に感染することで発症することが既に明らかになっています。癌化率の高いHPV(ハイリスクHPV)の感染を繰り返した一部の人は、前がん病変(異形成)を経てがんへと進展していきます。
子宮頸がんの組織型は扁平上皮癌と腺癌の二つのタイプに大別されます。現在扁平上皮癌は約70%、腺癌は約20%を占めます。この20年間で腺癌の発生は約2倍に増加しています。この原因はよくわかっていませんが、腺癌は扁平上皮癌に比べて発生部位が子宮のより上方(体部より)にあるため、早期発見が難しい傾向にあります。両者の間に治療法の大きな違いはありません。
子宮頸がんは前がん状態である異形成と浸潤がんに分けられ、浸潤がんの進行期はⅠ期からⅣ期までに大別されます。Ⅰ期はがんが子宮頸部に限局するもの、Ⅱ期はがんが子宮頸部外に進展しているが骨盤や腟の下方には達していないもの、Ⅲ期はⅡ期のがんが骨盤や腟の下方に達してしまっているもの、Ⅳ期はがんが周辺臓器(膀胱や直腸)や他臓器へ転移しているもの、と定義されています。Ⅰ期からⅣ期までのがんは、その進展状況によりⅠA、ⅠBのようにさらに細分化されます。子宮頸がんは治療を行うに際して、まずは進行期を決定する必要があります。進行期を決定した後に、それに見合った治療法を決定します。
最近では若年者の子宮頸がんが著しく増加しています。20歳代の異形成の増加により妊娠の経験がない方や妊娠初期に見つかることもあり、30歳代での子宮頸がんの死亡例も増えており、とくに若い人に積極的に子宮がん検診を受けることをお勧めします。また、小学校6年生から高校1年生の女子にはHPV感染を予防するワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)が定期接種となっており、無料で接種することができます。日本産科婦人科学会では若い女性へのこのワクチン接種を強くお勧めしています。
子宮頸がんは初期には無症状であり、不正性器出血、性交時の出血などで気付かれる場合は既に腫瘤を形成している場合があります。特に更年期や以前より月経不順のある場合には異常出血と区別がつかず、注意が必要です。腫瘤が壊死となり悪臭のあるおりものを自覚される場合には既に進行している場合もあります。また、子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が子宮に感染することで発症することが既に明らかになっています。癌化率の高いHPV(ハイリスクHPV)の感染を繰り返した一部の人は、前がん病変(異形成)を経てがんへと進展していきます。
子宮頸がんの組織型は扁平上皮癌と腺癌の二つのタイプに大別されます。現在扁平上皮癌は約70%、腺癌は約20%を占めます。この20年間で腺癌の発生は約2倍に増加しています。この原因はよくわかっていませんが、腺癌は扁平上皮癌に比べて発生部位が子宮のより上方(体部より)にあるため、早期発見が難しい傾向にあります。両者の間に治療法の大きな違いはありません。
子宮頸がんは前がん状態である異形成と浸潤がんに分けられ、浸潤がんの進行期はⅠ期からⅣ期までに大別されます。Ⅰ期はがんが子宮頸部に限局するもの、Ⅱ期はがんが子宮頸部外に進展しているが骨盤や腟の下方には達していないもの、Ⅲ期はⅡ期のがんが骨盤や腟の下方に達してしまっているもの、Ⅳ期はがんが周辺臓器(膀胱や直腸)や他臓器へ転移しているもの、と定義されています。Ⅰ期からⅣ期までのがんは、その進展状況によりⅠA、ⅠBのようにさらに細分化されます。子宮頸がんは治療を行うに際して、まずは進行期を決定する必要があります。進行期を決定した後に、それに見合った治療法を決定します。
最近では若年者の子宮頸がんが著しく増加しています。20歳代の異形成の増加により妊娠の経験がない方や妊娠初期に見つかることもあり、30歳代での子宮頸がんの死亡例も増えており、とくに若い人に積極的に子宮がん検診を受けることをお勧めします。また、小学校6年生から高校1年生の女子にはHPV感染を予防するワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)が定期接種となっており、無料で接種することができます。日本産科婦人科学会では若い女性へのこのワクチン接種を強くお勧めしています。
診断
子宮がん検診(細胞診検査)を先ず行います。子宮がん検診で異常が見つかった場合、拡大鏡を使って子宮頸部を観察するコルポスコピー検査を行い精密な組織検査(生検)を行います。この結果が確定診断となります。
子宮頸がんの診断が付いた後は、先にも述べたように進行期決定のための検査が必要となります。それには、次のような検査があります。膀胱鏡、大腸内視鏡検査、胸腹部造影CT、骨盤部造影MRI、その他一般的な採血、心電図、胸部エックス線検査などが行われます。
子宮頸がんの診断が付いた後は、先にも述べたように進行期決定のための検査が必要となります。それには、次のような検査があります。膀胱鏡、大腸内視鏡検査、胸腹部造影CT、骨盤部造影MRI、その他一般的な採血、心電図、胸部エックス線検査などが行われます。
治療
子宮頸がんの主治療は、手術もしくは放射線療法ですが、化学療法も補助的に用いられます。進行期によって治療方針が異なります。
1.外科治療
子宮頸部高度異形成の状態では子宮頸部円錐切除(子宮の出口を円錐状に切り取る)、もしくはCO2レーザー蒸散術(子宮の出口をレーザーで焼灼する)という子宮本体を温存することが可能です。浸潤がんでは子宮摘出術を基本とします。この子宮摘出術には、単純子宮全摘術、準広汎子宮全摘術、広汎子宮全摘術に分けられ、進行期により行われる手術が異なり、それに伴う手術合併症も異なっています。進行したがんに対しては、骨盤リンパ節摘出術も必要となります。また、1A期のがんでは腹腔鏡手術を行う場合もあります。1A期のがんでもその後の妊娠を希望される場合には、子宮頸部円錐切除術のみで経過を観察する場合もあります。2.放射線治療
放射線治療は子宮頸がんの治療法として有効な治療法です。特にIII、IV期の進行がんに外照射と腔内照射を組わせて治療します。手術の適応であっても合併症などがあり手術が出来ない場合に放射線治療は行われます。また、手術後に再発リスクの高いことが判明した場合には、術後に放射線治療を追加する場合があります。3.化学療法
手術後の追加治療として、あるいは既に遠隔転移を来した場合(ⅣB期)、再発した場合に化学療法を行うことがあります。また最近は放射線治療の効果を上げるために化学療法を同時に用いることが多くなっています(同時化学放射線療法)。治療成績
※準備中
院内がん登録情報
担当部署と専門医
部門 | 担当医 | 外来診療 |
---|---|---|
産婦人科 | 牛嶋 公生 | 月曜日午前 |
津田 尚武 | 水曜日午前、金曜日午前 | |
西尾 真 | 月曜日午前、金曜日午前 | |
田崎 和人 | 金曜日午前 | |
那須 洋記 | 水曜日午前 | |
勝田 隆博 | 月曜日午前 | |
三田尾 拡 | ||
藤﨑 可菜 | ||
田崎 慎吾 | 水曜日午前 | |
堀 洋暢 | 月曜日午前 | |
深川 真弓 | ||
藤田 智之 | ||
杉 悠 | ||
放射線科 | 近末 智雅 | |
病理学 | 眞田 咲子 |
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予約専用フリーダイヤルTEL:0800-200-4897、FAX:0800-200-9489
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