腫瘍センター
卵巣がん
はじめに
卵巣は子宮の左右に一つずつ存在する臓器です。閉経するまで女性ホルモンの分泌や排卵に携わります。月経があっている女性の卵巣は径3-4cmですが、閉経後は委縮して小指の先くらいしかありません。この卵巣に発生するがんが卵巣がんです。 卵巣がんは中高年女性に多い病気ですが、一部には乳癌卵巣癌症候群と言って家族性(遺伝性)に発症する場合もあります。
卵巣がんは無症状で経過するため進行した状態で発見されることが多く、腹部張る感じや腫瘤を触れて、近くの病院で腹部エコー検査受けられて見つかることも少なくありません。数ヶ月前まで普通にはいていたスカートがはいらなくなり、最近太ったかなと思ったら産婦人科も受診されることをお勧めします。卵巣は非常に小さな臓器のため、内科などで用いられる腹部エコーでは小さな卵巣腫瘍はなかなかわかりません。産婦人科で行われる経腟エコー検査が簡便で有用な検査です。
卵巣がんは無症状で経過するため進行した状態で発見されることが多く、腹部張る感じや腫瘤を触れて、近くの病院で腹部エコー検査受けられて見つかることも少なくありません。数ヶ月前まで普通にはいていたスカートがはいらなくなり、最近太ったかなと思ったら産婦人科も受診されることをお勧めします。卵巣は非常に小さな臓器のため、内科などで用いられる腹部エコーでは小さな卵巣腫瘍はなかなかわかりません。産婦人科で行われる経腟エコー検査が簡便で有用な検査です。
診断
卵巣には良性の腫瘍も多くできます。卵巣はお腹の中に存在する臓器のため、子宮がん検診のように簡単に細胞や組織を採取することができません。卵巣がんの診断は、手術で腫瘍を切除したうえで病理組織検査によって行われます。卵巣腫瘍が見つかった場合は、原則手術により腫瘍を摘出し、病理組織検査を行います。当科では、まず卵巣腫瘍を摘出し、術中に迅速組織検査を行います。手術中に診断を行い、その場で手術法を決定します。また卵巣がんの一部は卵管や腹膜から発症することが知られており、卵管癌、腹膜癌と診断されても卵巣がんと同様の治療を行います。
術前にはエコー検査以外にMRI検査やCT検査などの画像による精密検査を行うことで腫瘍の性状やがんの可能性、他臓器転移の有無を推測します。また卵巣がんの可能性がある場合には、大腸内視鏡検査や膀胱鏡検査も行い、他の臓器への拡がりの有無を確認します。また血液検査で行う腫瘍マーカーのチェックも必ず行います。これら検査で良性悪性どちらの可能性が高いのかを推定しますが、診断の確定のためにはやはり腫瘍の摘出による病理組織検査が必須です。
術前にはエコー検査以外にMRI検査やCT検査などの画像による精密検査を行うことで腫瘍の性状やがんの可能性、他臓器転移の有無を推測します。また卵巣がんの可能性がある場合には、大腸内視鏡検査や膀胱鏡検査も行い、他の臓器への拡がりの有無を確認します。また血液検査で行う腫瘍マーカーのチェックも必ず行います。これら検査で良性悪性どちらの可能性が高いのかを推定しますが、診断の確定のためにはやはり腫瘍の摘出による病理組織検査が必須です。
治療
1.外科治療
卵巣がんに対する基本手術は、子宮摘出術、両側付属器(卵巣と卵管)摘出術、大網切除術、虫垂切除術、骨盤内リンパ節郭清術、傍大動脈リンパ節郭清術です。卵巣がんは最初に行う手術で、できるだけ腫瘍を減量することが望まれます。お腹のなかのがんを出来るだけ摘出することで、予後向上が期待できます。そのため基本手術以外に、腸などの他臓器を一部切除したりすることもあります。妊孕性(妊娠する能力)の温存を強く希望される場合には、病変が片方の卵巣に留まっている場合に限り子宮と腫瘍のない側の卵巣を温存できる場合があります。また、若年者に多く発生する卵巣がん(胚細胞腫瘍)に対しては、化学療法がよく効くので、術後の化学療法を前提として、原則妊孕性を温存する手術を行います。既に乳癌を発症した患者さんでBRCAという遺伝子検査での異常が認められた場合には予防的に卵巣卵管を切除する場合があります。2.化学療法
手術で摘出した臓器は病理組織検査を行い、病気の拡がりにより進行期を決定します。卵巣がんは比較的抗がん剤が効きやすい腫瘍と言われており、術後の再発率を下げるために一部の早期がんの場合を除いて、ほとんどの場合に術後の抗がん剤治療が行われます。現在の標準的治療はパクリタキセルとカルボプラチンという二種類の薬を点滴で3週ごとに投与する方法で、6回繰り返します。近年は新しい分子標的治療薬が卵巣がんにも用いられるようになり、進行がんにはそれらの薬剤を組み合わせた治療が行われます。また、治療開始前に他の臓器への転移や腹腔内にがんが拡がっている(腹膜播種)状態で、手術による切除が困難と考えられる場合は、病理組織を確認した後、化学療法を先に行い、がんを縮小させた後に手術を行う治療法(術前化学療法)も行われるようになってきました。また、残念ながら卵巣癌は再発率が高い腫瘍として知られていますが、再発しても抗がん剤が効きやすい腫瘍でもあります。近年分子標的薬であるPARP阻害剤という薬が導入され、初回治療後の維持療法や再発後の治療として用いられるようになりました。
3.放射線治療
卵巣がんでは腹部全体が原発巣と考えられるため、手術後にて放射線治療を行うことは通常ありません。限られた部位に再発した場合、症例によっては放射線が行われる場合があります。治療成績
※準備中
院内がん登録情報
担当部署と専門医
部門 | 担当医 | 外来診療 |
---|---|---|
産婦人科 | 牛嶋 公生 | 月曜日午前 |
津田 尚武 | 水曜日午前、金曜日午前 | |
西尾 真 | 月曜日午前、金曜日午前 | |
田崎 和人 | 金曜日午前 | |
那須 洋記 | 水曜日午前 | |
勝田 隆博 | 月曜日午前 | |
三田尾 拡 | ||
藤﨑 可菜 | ||
田崎 慎吾 | 水曜日午前 | |
堀 洋暢 | 月曜日午前 | |
深川 真弓 | ||
藤田 智之 | ||
杉 悠 | ||
放射線科 | 近末 智雅 | |
病理学 | 眞田 咲子 |
患者さんご紹介の際には「紹介予約センター」をご利用ください。
予約専用フリーダイヤルTEL:0800-200-4897、FAX:0800-200-9489
紹介予約センター直通TEL:0942-27-5673、FAX:0942-31-7897