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平成17年度活動報告
平成17年度ドクターヘリ運航実績と分析報告

フライトドクター:坂本照夫・山下典雄・最所純平
           廣橋伸之・ 井手宗一郎・高松学文

           秦 洋文・宇津秀晃

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 ドクターヘリ事業は4年目を経過し、活動実績も右肩上がりとなってきた。事業開始から総出動件数も1,000件を突破し、福岡・佐賀県内の救急医療活動においても不可欠な役割を果たすようになったと思われる。以下に運航実績と分析について報告する。

1:出動要請件数と搬送先について

 図1に出動状況を示す。本年度のドクターヘリ出動要請件数は現場要請が276件、病院間要請が136件の合計421件と平成16年度の334件を100件近く上回った。そのうち実際に患者と接触した出動件数は現場出動226件(60%)、病院間出動135件(36%)の合計361件であった。特筆すべきは現場出動件数が病院間出動を大きく上回ったことである。平成14年度は現場出動:病院間出動が31%:64%、平成15年度および平成16年度はそれぞれ38%:51%、47%:44%と現場出動件数の割合は増加の傾向にあったが、本年度は飛躍的に増加したと言える。ドクターヘリの有効性を最も発揮できるのは現場出動にあることの認識が浸透してきたことを伺わせる。飛行前キャンセルは37件で、その主な理由は出動中であったことによる。また、飛行後キャンセル(出動件数に含まれる)は14件で、理由の大半がオーバートリアージによるものであった。1件の出動に対して複数名の患者処置を行う場合もあることより、ドクターヘリ出動により処置した患者数は現場出動230名、病院間出動135名で、ヘリによる搬送患者数は現場出動201名、病院間出動132名であった。現場出動の場合、フライトドクターが診察を行い最寄りの2次救急病院へ搬送指示した症例は約1割の29名に上る。現場出動による処置患者230名の内62.6%の144名が当大学高度救命救急センターへ搬送され、24.8%の57名が他の3次救急病院へ搬送された。一方病院間搬送では85.2%の115名が当大学病院へ搬送され(うち107名は当センター)、11.1%の15名が他病院から他病院への搬送であった。病院間搬送の不搬送3名は臨時へリポートでの患者の状態が心肺停止状態のためヘリによる搬送不能と判断されたためであった。

 ドクターヘリの要請件数の増加と共にキャンセル件数も51件と増加し全要請件数の12.1%を占めるに至った。特に飛行前キャンセル37件の内36件が現場出動要請であり、15件(40%)が出動中であったために対応できなかったことは、今後の課題として残される。



2:天候状況について

 図2に天候状況を示す。78%の287日は全域渡り終日飛行に問題を認めなかった。一方16%の57日は一日のうちある期間一部の地域で運航制限を認め、6%の21日は一日のうちある期間全域で飛行制限を認めた。これは、例年とほぼ同様であった。



3:月別要請件数の推移

 図3に、月別要請件数を示す。2月を除き各月とも現場出動が多く要請件数としては現場要請が平均23/月、病院間要請が平均11.3/月であった。実出動は現場:平均18.8/月、病院間:平均11.2/月であった。月によってばらつきはあるものの、毎日1件の出動があった計算になる。



4:要請別疾患分類について

 図4に要請別疾患分類を示す。現場出動を見ると192名と外傷が圧倒的に多く、現場出動の85%を占めた。2番目は脳血管障害を主とする中枢神経疾患で12名(5.3%)であった。その次に中毒7名、熱傷6名と続く。一方、病院間搬送をみると、これまで心血管系疾患が最も多かったが、本年度は外傷49名(36.3%)、心血管系疾患38名(28.1%)と病院間においても外傷が最も多くなった。なお、現場出動にて対処した外傷患者192名のうち54.1%の104名が交通事故によるものであった。



5:要請別出動地域について

 要請別出動地域を図5に示す。現場要請で最も多かった消防地域は、糸島地区の35件要請(28件出動)で、平成16年度の現場出動3件から飛躍的に増加した。その他は、例年どおり県南部の柳川、大牟田、瀬高、甘木、八女、浮羽の順に要請が多かったが、今まで現場出動要請のなかった田川や飯塚地区の現場出動もみられた。また、佐賀県からの現場要請は平成16年度13件であったのが本年度は33件と増加し、特に神崎地区が20件の要請と目立った。

 一方、病院間要請では大牟田地区の24件を筆頭に瀬高、浮羽、八女、甘木と例年通りの県南部が多かった。しかしながら、福岡県内の病院間要請は平成16年度の129件から本年度は109件と減少したのに対し、佐賀県からの要請は平成16年度の6件から、10件と増加の傾向をみせた。

 総合的にみると、現場出動の件数が増加し、要請地域も広がりをみせておりドクターヘリの有効活用が進んでいると考えられる。



6:現場出動における現場までの飛行距離について

 現場出動における基地へリポートから臨時へリポートまでの飛行距離を図6に示す。平均は23.9kmであったが、3540kmの地域の件数も35件前後と多く、50km以上の飛行を要した出動も10件あった。なお、50km離れた場所でも飛行時間は約15分程度であるため、傷病者の状態や地理的状況にもよるが、多くの場合現場出動の要件は満たされると思われる。



7:現場出動における時間分析について

 7-1、図7-2および図7-3に現場出動における時間分析を示す。覚知からドクターヘリ要請までの平均時間は13.3分で平成16年度の14.8分から約1分以上短縮されており、この傾向は年々続いている。また、要請から離陸までは5.0分で、4分台が大部分であった。要請から現着(現場直近または臨時へリポート着陸)までの時間はほぼ例年と同じ平均14.8分で65.5%が15分未満であった。覚知から現着までの時間は平均27.9分で平成16年度よりも2.6分短縮された。処置時間(現場着陸から離陸までの時間)も平成16年度より約3分短縮され、平均21.1分であった。同様に要請から搬送先ヘリポートまでの時間や覚知から搬送先までの時間も平成16年度よりそれぞれ約3分、5分短縮され44.1分と57.5分になった。総合的にみると、全体的に時間が短縮されているが特に覚知からドクターヘリ要請や処置時間の短縮が大きく寄与しているものと思われる。












8:ドクターヘリの効果について

 8-12にドクターヘリの効果について示す。現場出動および病院間搬送を含めた全体で見ると、ドクターヘリを使用しなかった場合99例が死亡したと思われたところ、転帰として死亡は62例であり37例を救命したと考えられた。同様にドクターヘリを使用しなかった場合、後遺障害を残したと思われる症例は106例と推計されたが、転帰としては73例であり後遺障害を33例減少させたと考えられた。

 次に重症度分類と転帰および予想転帰をみると、重症患者は約50%を占め、中等症は35%、軽症は15%であり例年に比べ重傷者の比率がやや増加した。

 さらに重症例の転帰についてみると33%の61例が死亡し、26%の48例に後遺障害を残しており、軽快したものは41%の76例であった。これをドクターヘリを使用しなかった場合の予想転帰で見ると97例が死亡、63例が後遺障害有りと予想され、死亡例を36例、後遺障害例を15例減少させたと考えられた。また、中軽症例では死亡が1例存在したが、これは入院後病態が増悪したためで、ドクターヘリ出動時は中等症であった症例である。当然ドクターヘリを使用しなくても同じ転帰をたどったと考えられる。また、予想転帰ではこの症例の他1例が死亡と予想されたが、緊張性気胸になりつつあった症例で、ヘリによる迅速な出動がなければ緊張性気胸に陥っていった可能性のある症例であった。








9:現場出動における重症度と緊急度からの考察

 図9-1に現場出動例の緊急度と重症度の内訳を示す。緊急度1は41%の95例で、緊急度2は30%の69例、緊急度3は29%の66例で、緊急度の順に多かった。一方、重症度では重症と中等症がほぼ同数の92例と89例で、軽症は21%の49例と少なかった。図9-2に緊急度と重症度からみたオーバートリアージの割合を示す。オーバートリアージは緊急度3かつ重症度が中等症もしくは軽症、および軽症で緊急度2の症例で、緑色で表す部分である。この症例数は70例であり、現場出動症例230例の30.4%を占めた。このオーバートリアージ率はほぼ例年と同様であり、約100件の現場出動要請件数の増加を考慮すれば許容範囲と考えられた。







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